◆保健指導の進め方◆
○はじめに
紫外線に対する関心は日本でも少しずつ高まってきています。オゾン層の破壊による紫外線増加といった
環境問題としての関心だけでなく、紫外線の浴びすぎによる健康への影響についても同様です。
特に、日頃皆さんの行っている保健活動の対象となる小さな子供さんをかかえるお母さんなどから、
地域での保健活動の現場で、あるいは保健所への問合せといった形で、
多くの質問や相談が寄せられることと思います。
しかしながら、日本では、紫外線や紫外線の健康影響に関して、信頼できる情報を手に入れることは
必ずしも簡単ではありません。そこで、地域の人々への保健指導にこの「紫外線保健指導マニュアル」
を役立ててくださることを希望します。
○保健指導のポイント
次のような点について、正しい知識を持っていただくことが重要です。そのためには、まず2ページから
4ページに示したような資料を使うなど、紫外線に興味を持っていただくことも重要です。
- 紫外線についての正しい知識
-
紫外線についての誤った情報も少なくありません。晴れた日だけでなく、曇った日にも相当量の
紫外線が降り注いでいることや、日焼けサロンでも大量の紫外線を浴びることなど、紫外線についての
正しい情報を提供することを第一に心がけるようにして下さい。
- 紫外線の健康影響についての正しい知識
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紫外線を浴びすぎると、様々な悪影響があります。日差しの強いところへ赤ちゃんを無防備に連れ出すことは
決して良いことではありません。紫外線を浴びすぎないよう、しかしながら、過剰に反応しないよう、
適切な指導を行って下さい。正しい知識をもって行動すれば、紫外線は決して恐ろしいものではありません。
- 紫外線防御についての正しい知識
-
紫外線の性質を知ることが紫外線防御の第一歩です。どんな時(時間、場所、行動)に紫外線が強いのか、
またどんなことに気をつければ紫外線の浴びすぎを防げるのか、を中心に指導してあげて下さい。
◆紫外線とは◆
太陽の光には、図1のように目に見える光(可視光線)のほかに、赤外線や紫外線が含まれています。
紫外線は地表に届く光の中で、最も波長の短いものです。
| UV−C | … | 大気層(オゾンなど)で吸収され、地表には到達しない。 |
| UV−B | … | ほとんどは大気層(オゾンなど)で吸収されるが、一部は地表へ到達し、皮膚や眼に有害である。日焼けを起こしたり、皮膚がんの原因となる。 |
| UV−A | … | UV−Bほど有害でないが、長時間浴びた場合の健康影響が懸念されている。 |
図1 太陽光と紫外線
紫外線は波長によって、A、B、Cの3つにわけられます。C領域紫外線(UV-C)は空気中の酸素分子と
オゾン層で完全にさえぎられて地表には届きません。生体への影響が強い紫外線のうち、
B領域紫外線(UV-B)がオゾン層の変化に影響されることから、現在その増加が問題となっています。
○紫外線の強さ
紫外線の強さは、時刻や季節、さらに天候によって大きく変わります。太陽が頭上にくるほど
強い紫外線が届きます。一日のうちでは正午ごろ、日本の季節では6月から8月が、最も紫外線の強い
時期になります。
山に登ると空気が薄く、より強い紫外線が届きます。標高の高いところに住む人たちは
強い紫外線を浴びるために、標高の低い土地に暮らす人と比較して大きな影響を受けます。また、雪や砂は
紫外線を強く反射するので、スキーや海水浴のときには、強い日焼けをしやすくなります。